修復

修復:腰の重だるさと血流の滞り

こんにちは😊

今回は、腰が重だるく感じる理由の一つとして、胸腰筋膜が硬くなることで起こる血行不良、を書いていきます🙋‍♀️

胸腰筋膜についてはこちらの投稿でも書いていますのでこちらもご参照ください。

1.胸腰筋膜の役割

背中には、脊椎を反らせる、捻らせる働きのある脊柱起立筋が縦に走行しています。最表層に広背筋があるのでその下を走行しています。

胸腰筋膜は、その脊柱起立筋を頸部から全て覆うように張られている膜です。横に輪切り状にしてみるとこんな感じです。

【引用:運動器の臨床解剖アトラスp.315】

胸部までは脊柱起立筋の上を覆っていますが、腰部では、浅い部分と深い部分の二層になり脊柱起立筋を包む状態になります。浅い部分の膜は、広背筋と肋骨を引き下げる下後鋸筋重なり、厚く頑丈な膜を形成します。(重なり合った部位は腰背腱膜とも言います)

胸腰筋膜の役割は、脊柱起立筋の働きの補助、脊椎の動きを安定させるためにあります。腰部の腰背腱膜においては、腰椎を後弯(後に凸になる状態)させると、ストッパーのように緊張状態になり腰背部を安定させる働きがあります。また、上部に当たる広背筋、下部に当たる大臀筋から上下に牽引され、こちらもストッパーの様に帆を張るように緊張させて腰椎が後に動きすぎない様に後方から前に押し出すようにして腰背部を安定させる働きがあります。

この安定機能が・・・

緊張状態が加速することにより、安定させすぎてしまい、安定を通り越して動かなくなる=腰椎の動きを妨げてしまうのです😵

前屈で腰椎が綺麗にカーブしない方は胸腰筋膜、かなり硬いと思っていいと思いますね^^;

2.胸腰筋膜が緊張状態になるとき

先ほど書いたように、腰椎を後弯させることで膜が引っ張られて緊張状態になります。日常生活で腰椎が後弯する体勢・・・お分かりですか??

これですね。

恐らく、よほど姿勢に気を遣って筋力維持などされている方でない限り、後弯になっている状態、は1日の中で結構な時間生じているかと思います。私も座り続けて動く時間を減らしている時にはあぁ筋肉で支えきれなくなってきたな・・と思います😅

後弯になること、自体が「悪いこと」ではなく、後弯状態のままでい続けることが身体にとって負担になること、ですので「良い悪い」で判断しすぎないでくださいね。動きとして後弯の動きはとても大事ですのでね。

 

3.緊張し続けることがなぜ身体への負担になるのか

筋肉を使って姿勢を保てていれば、胸腰筋膜も適度な緊張状態を保ち本来の役割である「安定」を担うことができます。ですが、筋肉を使わず姿勢を保持し続けることによって、「安定」の役割から「なんとか体勢を維持する」「骨をロックさせる」ための役割になってしまい常に負担をかけている状態になります。

先ほどの輪切りの図。腰部は浅い膜と深い膜の二層になり包むような状態になっている、と書きました。

【引用:運動器の臨床解剖アトラスp.315】

腰椎が後弯しすぎないようにストッパーの様に緊張して働いてくれることにより、浅い部分の膜が筋肉にぐっと圧をかけ続けてしまい、中の脊柱起立筋も緊張状態となり筋内圧が上昇します。

この筋内圧が上昇し続けた状態を持続してしまうことで、脊柱起立筋の血流を低下させ、血管自体も圧迫し、腰のだるさや張り感、鈍い痛みを起こすのです。

せっかくの、安定の為の膜の包が、緊張状態が続くことにより筋肉にとっては身動きが出来ない器により中に押し込められている感じになってしまう、ということですかね🙄

しかも。

一時的で、動かしたらまたすぐ圧が解放されるのなら良いのですが・・・

緊張状態が長時間続くと、膜自体の柔軟性も低下します。線維が伸びなくなり互いに癒着し硬くなります。そうなってしまうと、負担のかかる姿勢を解除したとしても、動かして血流を回復させようと思ってストレッチなどだけを軽くしたとしても、硬くなりきってしまった胸腰筋膜そのものはなかなか伸張性が復活しません。動かした時に一時的によくなった様に感じてもそれは一時的に血流が改善されただけで、柔軟性が復活したわけではないのですぐにまた血流が滞る状態になってしまいます。なので、常に重だるさを感じることになってしまうのです。

筋肉も膜も、時間をかけて負担を積み重ねてその結果、硬くなっていますから、根本的に解決するには、一時的なストレッチだけでは足りないと言えますね😅

胸腰筋膜が緊張状態になり続けてしまうと、神経にも影響が出てきてしまいます。腸骨(骨盤)のすぐ上部分の胸腰筋膜を上臀皮神経が貫通して身体の表層に出てきますが、その神経走行も圧迫してしまいます。上臀皮神経が圧迫され神経絞扼となると、痺れだけでなく腰の痛みも感じます。腰椎疾患と似たような状態になることもあれば、歩くたびに痛みを感じる状態になることもあります。二次症状とも言えなくはないですので、緊張状態は蓄積しないに限りますね💦上臀皮神経やその神経絞扼についてはこちらをご覧ください。

 

4.緊張状態を解消するには

じゃあどうしたらいいんだ・・・ですよね🙄ここから書くことは特段目新しいことでもないのでなんだ、と思われるかもしれませんが、身体ですのでね。魔法も特効薬もありません。一発逆転を狙わず、瞬間的な変化を探さず、根本的にじっくり変えて整えていくのが一番近道ですから。

 

これは・・・硬まったな、、これは寝てよくなっている感じでもないかもな、、、その場合。それは一旦受け入れましょう!^^;硬くなってしまったのなら仕方なし、です。

で。受け入れてからがとても大事です。まずは、受け入れたその瞬間から、

①胸腰筋膜が緊張し続ける姿勢・使い方を変える

これは緩めるケアと同時に!と言ってもいいくらいすぐ取り組んでください😊

これは、硬さが取れない方に多いことなのですが、ストレッチや緩ませるケアを頑張っている反面、使い方は全く変えていない、ことがあります。せっかく柔軟性を戻そうとしてケア時間を作っているのに、自らその努力を潰してしまうかのように硬くする使い方を繰り返してしまうのです。片付けている側から新しい物を購入してなかなか片付かない・・と言っているのと同じ様なことですからね^^;

まずは硬さの蓄積を自らで止めてください✨

とは言っても🤔まさか座り続けない、なんてことできないと難しいと思いますし、座る姿勢を改善してなるべく筋肉を使って座るようにしても長時間となると筋肉も疲労して体勢は崩れます。ですので、

②緊張をリセットする時間を十分に取る

胸腰筋膜は広背筋と脊柱起立筋の柔軟性、大臀筋の柔軟性、双方の弱化に大きく影響を受けますのでこれらを伸ばして緩め、弱化を改善すると緩まりやすいですよ😊

デスクワークの方だと、腕、ほぼ上げる機会ないですし、腕、後ろにも動かさないじゃないですか。広背筋、出番ないですよね。それに加えて、歩く機会もなかったら大臀筋はほぼ放置ですから・・・硬くもなるし弱くもなりますよね。椅子という安定に懐柔されてしまってお役御免状態ですね^^;

胸腰筋膜対策としては、①と②をセットでやることですね。

よく、どれくらい伸ばせば?と聞いて頂くのですが・・・「緩んだなぁと思うまで」と質問者側からすると何とも曖昧なお答えをよくします。なぜなら、どれくらい使ってどれくらいリセットしたら良いかはその時の身体になってみないとわからないからです。こればっかりは、人の身体ですから。ましてや私が四六時中筋肉状態を観察しているわけではないですからね😅6時間座り続けた時の緊張状態と、30分座り続けた時の緊張状態、同じストレッチ量でいいなんて到底思えませんよね💦負担をかけたらかけた分だけリセットしてあげるのです。ご自身の筋肉状態が知りたい方は直接お越しくださいね✨

具体的な変え方は、今の使い方・姿勢によって異なるので色々試行錯誤して頂きたいのですが、筋肉を使って立つ・座る姿勢を保持するためにはどの筋肉を働かせれば良いか、を知っていると試行錯誤しやすいと思うのでこちらの投稿をご自身の姿勢や使い方を変える参考にしてみてください。

リセット方法は、この投稿でも書いていますのでご参照ください。

このケアで変わらない場合は硬さが蓄積されて単なるストレッチでは緩まない状態になっているので、それは赤羽お越しくださいませ☺️一旦深部までしっかり緩ませてセルフケアでリセットできる身体にまずはしていきましょう。胸腰筋膜は投稿のはじめにも書いた通り、重なり合って厚くなって頑丈になっていすからね。緊張状態が解けない状態はかなり強固になっていますので周りの筋肉も同時に緩めながらじわじわ丁寧に緩ませていくとふわっと過剰な緊張のない膜になっていきますよ😊

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