施術ノート

施術ノート:運動連鎖を利用してブレなく肩を動かす-筋肉疲労を軽減して長時間動かせるように-

こんにちは😊

今回は、運動時に腕をあげる動きを繰り返す際に、どれくらい長い時間快適な筋肉状態を保っていられるか、についてお客さまと検討していたのでその内容を書いていきたいと思います🤔

1.運動時に長い時間快適な筋肉状態を保つには

まず一つの方法として、「筋力そのものの強化」「耐久性の向上」が挙げられますね。

筋力強化も勿論大切です。その動きに耐えられるだけの筋力がなければ、そもそも動きは発生しませんから。今回はその上で、のことなのです。

継続して身体創りをサポートさせて頂いており、ご自身の体感としても“良い状態”で、私から見てもお身体状態は良好です。スポーツをやっているとお分かりかと思いますが、時間が経過していけば自ずと筋肉は疲労しパフォーマンスは低下してきますよね。今回はその筋肉疲労を遅らせたい、より長くパフォーマンスが高い状態でプレーを続けるための身体創りなのです。

個人的な話になりますが、私は走るのが好きで、たまに20キロ以上の長距離も走ります。20キロはあまり考えず行けますが、30キロともなると、普段頻回に30キロを走るわけではないので、如何にそれぞれの筋力を疲労させず走り切れるかを考えながら走ります。長距離を走る方がどのように走られているかはわかりませんが、私はこの目的に為に取っている策としては「一つの筋肉を使い続けないようにする」があります。走っていると、筋肉の疲労を感じてきます。感じたらその筋肉の使用を制限し、他の筋肉に役割を分散させてその間に疲労した筋肉を休ませるようにして全身の筋肉を満遍なく使うことで、たまに走る長距離でも痛みなど起こすことなく翌日も元気で過ごすことができます。

これは走る場合の私の例で、遠回りな例えになっておりますが、この役割分担が筋疲労の蓄積を抑えるためには重要なのです。

目指す先は、長い時間良い身体状態でプレーできるために一部の筋肉だけが担っている「支える」「動かす」役割をバランス良く他に筋肉も一緒に担わせることです☺️

先出しすると、「運動連鎖」をしっかりさせてあげる、ことなのです✨

 

2.役割分担→運動連鎖をさせたい今回の動き

ラケットを振り上げる動き、です。

今回は振り下ろす、ではなく振り上げる動きの検討です✨結構このブログで登場頻度が多い動きですが、何分パフォーマンス向上のための検討をする機会が多いのでどうしても出番が多くってしまいます😅今回の検討内容は、他の柄の長い道具を持って行うスポーツ(ゴルフなど両手で扱うスポーツも)でも当てはまることなので参考になると思います🥎

振り上げ続けていると、途中で肩周りが疲労してくる、そのまま継続することで肩周りが硬くなり違和感に繋がっていく、とのことだったのです。勿論、プレー途中や後も伸ばしたりケアは頻回にされている様で「対処」は十分に行われている様でした。「対処」が現時点で最大限ならば、やるべきことは起こる前の「対策」を強化する、ですよね✨

ここ、結構重要です。

痛い、違和感がでる、と思っと「緩めなければ=対処」に気が行き過ぎてしまいますが、繰り返していたり、良い時もあるのであればそれは「対処」の問題だけでないことを示しています。未然に防ぐ、防ぐような動きをする、「対策」に目を向ける必要があるのです✨

身体は繊細ですが柔ではありません。“仕方ない”ということは余程のことがない限りなく、細かく分析できれば幾らでもその先へ進めるものなのです。そう言ってしまえば、身体以外でもどんな事柄、問題においてもそうですよね😊

 

3.疲労が加速する要因

使い過ぎている要因、とも表現できるでしょうか🤔

使い過ぎている、という表現はマイナス表現の様に思われるかもしれませんが、「ダメ」な訳ではないのです。「負担が一点集中している現状を変えていきましょう」という現れでもあるのです✨

 

負担がかかっている筋肉は言わずもがな三角筋と僧帽筋です。

腕を振り上げて後に少し反らすため、肩後方上部の筋肉が使われます。ここを使わなずにはこの動きは出ないのですが、大事なのは「肩周りの筋肉だけで支えて動かしている」ことです。支える・動かす、はこれまでもその役割を明確にさせることが大事、と書いてきましたが今回もとても大事になります。

このポジションに腕を持っていくには、肩甲骨を動かし支え、上腕骨が自由に動けるように「土台」が必要です。今回、この「土台」としての役割が少し弱かったのです。私はプレーそのものは直接見れませんが、何回かその動きをして頂き、動作分析を行うことで“今どこの筋肉がメインで動かしているか?”“どこの筋肉の働きが弱いか?”などを見ながら今何が必要な対策かを見極めていきます

この強い部分と弱い部分を見極めることこそ、対策の道しるべとなります。

僧帽筋と三角筋の他にも、肩周りのこれらの筋肉は癒着と滑走性不良が起きていたので同様に結構使われている、と言えました。

使えば勿論どんな良好な筋肉でも起こりますので、問題というわけではありません。都度取り切れていれば良いですし、程度の問題になりますね。今回は決して悪くない、もっと良くするには?の視点で考えた時の対策です😊

 

4.行う対策は「支える」筋肉を明確にして動きを連動させる

 

腕を振り上げるときの動いている部分を確認していきます。恐らく、この部分が動いている、とイメージされる方が多いかと思います。

ラケットなど柄が長い道具を扱うときは、ボディイメージの変換が起こりますのでラケットの端までが動かすべき身体、となります。このボディイメージの変換が上手くいくと、道具を使わず手を挙げる時と同じように「ラケットの先まで自分の身体として」自在に扱うことができます。

腕を振り上げている、のですから動きの支点は「肩」と思いがちですよね。ですが、よく見て頂きたいのですが、動いているのは腕だけではないのです🧐全身の動きを見ながら、腕を振り上げるときに起こる運動連鎖は下記ラインになります。

そして、運動の中心はこの場所は下記の丸の位置になります😊

力の方向としては黄色矢印の感じですかね。

腕だけに動いているイメージがあると、動きの支点は必然的に下記左絵の肩にある水色丸になりますが、運動連鎖により全身が動いているで実際は右絵の位置なのです😊

ここが支点になるように体幹から下をしっかり支えられる様になると、肩周りの筋肉で腕を支える必要がなくなりますので、肩周りの筋肉は「動き」に集中して使える様になるのです。

これは実際に動いてみると分かりやすいですよ。左絵の様に肩が支点と思って動かすより、右絵の様にみぞおち辺りが動きの支点だと思って動かしてみてください。右絵の方が大きく、余分な力をかけず振り上げることができると思いますよ。

 

5.使えていない筋肉を使える様にする

みぞおちが運動支点とした時に、その方の動きをみて使えるようにしたい筋肉を検討したところ・・・

腹横筋上部を使えるようにすると運動連鎖が起こりやすくなりました😊

腹筋ローラーも使い腹部の筋肉は強化しているとのことで、施術時にも、腹部の筋肉は日々鍛えているのだろうな、と認識はできていました。ですが、その腹部の強化で盲点があったのです。

肋から下の腹部の筋肉は鍛えられていましたが、その鍛えられている力と比べて肋の間の腹横筋は弱かったのです。肋の間の腹横筋が弱いと、肋はこの様な状態になるのです。

肋は本来ならば、左側のように弧を描くように下部肋骨に移るにつれて締まっていきます。この締まりは、肋と肋の間にある腹横筋なのです。よく、肋が開いている、と言われる状態はこの様な絵が多いですが、

正面から見て開いている場合だけでなく、前後にも締まらなくなってくるのです。

今回は、正面からの肋角度は開いてあまり開いてはいなかったのですが、前後の締まりは弱く、仰向けになった時に明らかに下部肋骨が上部肋骨と比べて飛び出るように前に出ていました。

先ほども書いたように、腹部の筋肉は鍛えていらっしゃったのです。なのに、なぜこの様なことが起こるのか?

それは、腹横筋の筋肉走行に理由があります。腹横筋は縦に走る腹直筋と異なり、横方向の走行なのです。腹横筋は、横方向に、輪っかが積み重なるように腹部を引き締めて内臓を押し込めて、肋と骨盤の間をコルセットのように安定させるため存在しています

腹横筋はついている場所が上部・中部・下部でそれぞれ異なるのです。

上部は、肋と肋の間。

中部は、背骨横の背中から腹部を通り背骨横の背中まで。

下部は、骨盤から骨盤、骨盤の前方向を埋める様に走行しています。

今回は、中部と下部はしっかりと使えていました。上部のみ、弱くなっていたのです。腹横筋は、同じ腹横筋の中でも使えている部分と使えていない部分がよく起こる筋肉なのです。全体的に使えていなくなっている方もいれば、中部は使えているけれど上部と下部は使えていない、方などその方の日頃の身体の使い方により弱化している部分は異なります。

実際に、腹横筋上部を確実に使える筋力強化を20回ほど行って頂いたところ、今まで使えていなかった、とご実感されていました😊

ここから、もう一声👍

腹横筋を運動連鎖させるためにある筋肉達を加えて運動連鎖を完成させます✨

 

6.腹横筋上部と連動して使いたい筋肉

連動させて働かせたい筋肉は、背部の筋肉で脊柱起立筋群+大臀筋+ハムストリングス、です

後側の支える量を増やし、前から押させるように止める、のです。

【引用:スポーツ・バイオメカニクス入門 絵で見る講義ノートp.34】

なぜこれらが使える様になると腕を振り上げる際の肩周りの筋肉の使い過ぎを防げるかと言うと、

背部の筋肉で後に引っ張り、前から腹部の筋肉で支えることで先ほどの運動支点でもあったみぞおちから下が安定し「支えられている」からこそ、表層の動かす筋肉を使っても動きにブレがなくなる

ブレない=支える必要がなくなるから、肩周りの筋肉の過度な仕様を抑えることに繋るからです。

実際、背部のこれらの筋肉を使える様にした後で、腕を振り上げてもらったところご自身の感覚としても明らかに動きが変わったようで、私から見ても動きの支点はみぞおちに集まっていましたし、肩周りを楽に動かせていました。

使う筋肉を変えると、使い方が変わりフォームも調整する必要があるので馴染むまではしばらくかかると思うのですが、負担のない動きで練習を繰り返すことで「使えていなかった筋肉」は自然と強化され、身体がこの使い方に慣れてくれば自然と運動連鎖が起こる身体になっていきます。

 

前と後で挟む様に働かせる運動連鎖はこの投稿も参考にしてみてください😊

7.使えていない筋肉は個人差が大きい

今回は、腹横筋上部と背部の筋肉でしたが、使えていない筋肉は人によって異なります。日中の仕事が同じ姿勢を続ける仕事の方の場合は、使えていない筋肉は似た傾向はありますが、それでも全く同じ方はいません。

また、自然と使える様に筋肉が勝手に働いてくれるための筋肉の刺激の与え方も個々に合わせて調整する必要があります。私の動画でいくつか出しているトレーニング動画もベースはあれらを実際にお客さまに行なって頂くことが多いですが、それでも全く同じ方法ではうまく働くようにはならない場合も多いです。その際に、そのまま刺激が入らないまま続けることははっきり言ってあまり意味をなさない動きを繰り返しているだけ、になってしまいます

今の身体でしっかり刺激が入り、自然と使える様になるように働かせることがとても重要なのです。

こればっかりは、実際に動いて頂き、

・どの筋肉が働いていて

・どこが働ききっていないか

動作分析を細かく行う必要がありますので、気になる方はお越しくださいませ😊

今行っている動きを改善されたい場合も、動作分析を行うことで細かく分析できますのでご相談ください✨

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