こんにちは😊
今回は、膝の屈曲制限(膝が曲がりにくい)についてです🙋♀️
✔︎正座ができない
✔︎膝に水が溜まる
✔︎膝が痛むことが増えた
などが症状として挙げられるかと思います。
この投稿では、なぜ膝が曲がらなくなるのか、について書いていきます。
前回の投稿の内容以外の要因となり、長期に渡り症状が続いていたり単に曲げられないだけでなく痛みや違和感など症状が増えている方に起こる場合がある可能性の要因を書きます。
それ以外の要因も勿論ありますので、年単位でお悩みが続いている場合はセルフケアでは対応が難しい場合が多いですので一度ご相談くださいませ😊
1.膝の関節
膝の関節は、大腿骨と膝蓋骨と脛骨・腓骨で構成されています。
骨と骨を繋ぐのは、動きを担う筋肉と、動きを支える為の靭帯・関節包・脂肪体などの結合組織で構成されます。
膝の屈曲制限は、①筋肉の柔軟性の低下・短縮と、②結合組織の高密化によって引き起こされます。
高密化とは?
網目の荒い布と網目の細かい布を想像してみて下さい。斜めに伸ばすとしたら、どちらがよく伸びるでしょうか?高密化とはざっくり表せば、線維同士がくっつきすぎている網目の細かい布のような状態、と言えます。高密化される程、伸縮性が失われますので高密化された箇所は伸びにくくなります。
膝関節の動きは、大腿骨が脛骨・腓骨に対して「スライド」しながら動きます。
膝関節が曲りにくい、ということはこのスライドが起きにくくなっている、ということです。
2.曲がりにくい原因
◇必ずこれらが原因になる訳ではありませんのでご自身の原因を詳細にお知りになりたい場合は直接ご連絡ださいませ◇
①筋肉の柔軟性低下・短縮
膝を曲げるには、膝表面を走行する筋肉が伸びることで曲げることができます。
膝表面を走行する筋肉は、2関節筋と言って、2つの関節を跨いで走行する筋肉が走行しています。
大腿直筋は2関節筋肉なので、股関節を曲げる・膝関節を伸ばす、相反する動きを担っています。座る生活が多い現代では、立位時に股関節が軽く曲がっている状態、骨盤が倒れている方が圧倒的に多いです。
30代前半までは股関節を中間位で保持していなくても身体への負担はまだ軽いですが、後半から筋バンランスの崩れが体感として顕著に感じられる様になり、40代以降になると筋力維持のための働きかけをしていなければ筋力は確実に年々落ちますので股関節は更に支える力を失います。
股関節が常に曲がっている状態であったら、前後バランスを維持するために大抵は膝関節も曲がります。股関節は曲がり、膝関節も常に曲げている。この状態で身体を動かさずに終日過ごしたらどうなるでしょうか?
大腿直筋は硬くなり、柔軟性は低下し、伸びにくくなります。単に伸び縮みする機会が減るから、というだけでなく、姿勢を崩した体勢は臀部と太もも後ろ側の筋肉、股関節を伸展させる筋肉は使われませんので太もも前側の筋肉に常に負荷がかかります。
伸び縮みする機会の少なさ、太もも前側で常に体重を支えている故の過度の緊張、これらにより大腿直筋だけでなく他の大腿前面の筋肉全て硬く、伸びなくなります。
大腿直筋は言わずもがな膝を越えて付着しますから伸びないと膝が完全に曲がらない、ことはお分かりかと思いますが、他の内側広筋、外側広筋、中間広筋に至っても、膝関節周囲では結合組織と合わさるため筋肉が硬くなっていれば繋がる結合組織も硬くなっていますので膝は完全に曲がりにくくなります。
②靭帯の伸張性低下
膝にも靭帯は多数存在します。今回の投稿は、外傷やスポーツなどの過剰な負荷による損傷由来の制限ではないので取り上げる靭帯は一つです。それが、内側膝蓋大腿靭帯です。
側方に靭帯が付着しているのは、膝を曲げ伸ばす際に大腿骨と脛骨腓骨が左右にずれないためです。膝関節は股関節と異なり、前後のスライド・捻りの動きしか行えない様になっています。
この内側膝蓋大腿靭帯ですが、内側膝蓋支帯と共に大腿直筋の真下を走行する中間広筋と繋がります。膝を伸ばした状態では余裕があるのですが、膝を曲げると伸ばされます。ですので、内側膝蓋大腿靭帯の伸張性が低下してしまうと、膝はある一定の角度まで曲げるとそれ以上曲げようとすると痛みや違和感を感じて曲げられなくなります。
内側膝蓋大腿靭帯そのものの伸張性も必要ながら、大腿骨内側部周辺の軟部組織の柔軟性も必要となります。膝に不具合を感じている方ですと、膝蓋骨付近が硬直し摘んでも全てが一体化されている様な頑丈さがあります。膝には画像のように複数の組織が重なりながら関節を構成していますから、それぞれの滑走性や柔軟性が維持されていれば摘んでも動きを感じられるのです。普段、触れて確認する部位でもないですから、膝が曲がらなくなってから初めて、柔軟性が低下していることに気づくのですよね😅
③滑液包や脂肪体の変性
大腿骨がスライドする際に、膝蓋骨も一緒に動きます。その動きを良くするために靭帯以外にも幾つか組織があります。
この画像のある、膝蓋上嚢が十分に伸びきらない、脂肪体の線維化が進み滑走性が悪くなる、膝関節筋の柔軟性が低下している、ことにより膝蓋骨の動きが悪くなり膝を曲げようとするとロックがかかったように制限を感じます。
これらについてはこちらの投稿で書いていますのでご参照ください😊
膝蓋骨は本来、膝を伸ばした状態で動かした場合上下左右回旋とよく動きます。これらの組織が固くなってしまうと膝蓋骨は動かなくなるので膝を曲げようと思っても曲げるための柔軟さが足りないので曲げきれなくなってしまうのです。
3.再び曲がるようになるのか?
断定はできませんが、骨に変形が起きておらず、現時点で動きの制限や痛み違和感はあるけれど、日常生活を送る上ではなんとかなっている(著しい行動制限は起こっていない)のであれば曲がる可能性はある、と言えます😊この状態で留められていれば、筋肉や靭帯、他組織の柔軟性を一つ一つ丁寧に滞りなく制限をとることで本来の関節の動きを取り戻すことができます🤔
レントゲンで様子を見ましょうと言われている場合や注射の処置で回復が見込めなくても、徒手療法の分野でまだまだ出来ることはあります。状態によりはしますが、魔法の様に瞬時に改善することは難しかもしれないけれど全く可能性がないわけではないのです。これ以上は私も一度診させて頂かないと何とも言えませんが💦、長年膝に問題を抱えていた方も正座が出来るようになったり、痛みが感じなくなったり、と改善経過をみてきていますので改善したいお気持ちがあるのであれば一度ご相談頂ければと思います😊