解剖学

筋肉でなんとかならないなら、筋膜!

1.筋膜が無ければそもそも動けない

硬い、動きが悪い、痛い。これまで筋肉をなんとかしようと頑張ってこられていますか?

でも良くならない?

それなら、、、筋膜にフォーカス。

筋膜(fascia)。これです。

 

結構リアルですね。私も実物を見たのは学生の頃の解剖学だけなので遠い昔の記憶です。

筋膜、筋膜、と巷でも聞く機会が増えてきましたが、最近の研究部分ではないのです。普通に暮らしていて聞く機会が増えた、ということは筋膜へのアプローチが功を奏しているからかな、と思います。

とは言っても、筋膜の何がそんなに重要なのか?

んー。そもそも筋膜、ってなんなの?

ですよねー。

ふわ、っと「とにかく大事!」と得体のしれないものを漠然と意識するより、解剖・生理・運動学の理論から見ていくことでリアルなものになっていき、意識し易くなる(と、私は思っております)のでしばしお付き合いくださいね。

先ほどの画像にありました様に、例えば、鶏肉の皮をはいだ時に筋肉との境目にある線維状のものをイメージして下さい。膜、という文字からすると、覆っているもの、というイメージになりますが、筋膜のお役目としては各器官を繋ぎとめ、且つ動きを円滑にさせる、というミッションを持っているのです。

自転車でいえば、フレームが「骨」で、チェーンリングが「筋肉」、チェーンが「筋膜」ですかね。

チェーンだけあってもなんの役目も果たせないですが、チェーンリングと組み合わさることで動きを作り出すことができます。それらを支え所定の位置に留めてくれているフレームがあるからこそ「自転車」として機能します。

その自転車に、動け、と意図をもちペダルを踏み込むことで前進します。人がからだを動かせるのも意図、ここを動かしたい、という目的があってそれを脳が各パーツに指令を送り動きが生まれるんですね。

筋膜がないと、動きが生まれないことがなんとなくイメージできたでしょうか。

 

2.筋膜の働きを深堀り

筋膜というのは先程自転車で例えた通りに、筋肉や器官を繋いで連動性を持たせる役割、言うなればからだを統一する存在なんです。

なんだか大役を担っている感じですね。からだはどこかが欠けてもダメなんですよね。

足を動かそう、と思ったとすると動きが発生するまでを簡単にご説明すると・・・

足動かすと意図し(意識)、からだの状況を詳細に把握し(感覚)、各器官へ指令が伝達され(脳)、関節を動かし(筋)、動き一つ一つを連動させ(筋膜)、足が動くんです。これを一瞬にしてやり遂げる、凄技ですね!

そんな動きの要でもある筋膜。この膜が「ちょっと今疲れてるんで」、とお役目を果たしてくれなくなったら・・・

錆びた自転車の様に、動きがギチギチとスムーズでなくなり、動ける範囲でしか動けなくなり、それでもなんとか動いていたのに、不意によいしょ!と力を入れてしまった為にピキッと負傷し、激痛。

あぁー歳なのかーーー・・・と思う様にからだが動かないことへのストレスを溜め込む可能性大ですね。

余談ですが。

年齢に刃向かうわけではありませんが、「歳だから」という言葉が本当好きではないんですよ。歳を重ねることに抵抗しているわけではなく、それ、本当に加齢によるもの?どうしようもないことなの?と、何もできずに諦めなければならない状況に抵抗を覚えるんですよね。そういったものに挑んで行きたい、諦めが悪い性格でして。

それに、からだ、ってそんなに柔じゃないと思うんだよなー、とも思う訳でして。確かに、加齢に伴い細胞や組織はいつまでも元気元気♪というわけではないので、再生機能が衰えたりと多々できなくなる、機能が低下する部分は多いです。若い頃はリカバリー機能がかなり高く、使いすぎても寝れば回復しますし。

致し方ないことは致し方ないですが、それがイコールどうしようもないことではなく、それなら加齢に伴うからだの変化に合わせて使い方も変えたら”衰え”は防げるんじゃないか、、と思うのです。なので、「歳だから」という言葉が好きではないのです。

からだに合わせた使い方をするにはからだのことを知らなくてはなりません。その為の知識、という訳です。私の様にマニアックにひたすら解剖学などの専門書を楽しく読む必要はないですが。

なくてはならない存在の筋膜。その働きはどんなものなのでしょうか。ちょっと深堀していきますね。

筋膜。膜。膜、と聞くとぺらっと一枚筋肉にくっついている様にも思えますが、そんな単純なものではないんですね。筋膜の働きとしては大きく3つあります。

①運動を起こすそのものの(筋肉)働きをサポートする

②複数の筋肉が働き「動き」として可能になる際に、筋肉同士の繋がりを持たせスムーズに動ける様にする

③関節の連結をサポートする

筋肉の働きを活かせるのが筋膜、筋肉が自由に滑ることを許してくれる緩衝剤が筋膜で、筋膜が無ければ筋肉は役目を果たせない訳ですね。(なんだか偉そうな感じになりました、筋肉も重要ですよ!)

よく動画で、「筋膜で引っ張られて」と話させて頂いておりますが、そもそも筋膜があるから動きが発生しているので筋膜が足を引っ張って違和感や痛みが出ているわけではないんですよね。負荷がかかり過ぎて、“休みたい!活躍できる様にリカバリーさせて!”と言っているだけなのですよね。

筋肉よりは遥かに認知度が低い故に黒子の様な存在になっており、まさかそこにもストレスがかかってからだに違和感が出ている!?とは思わないんですよね。

本当はそれがなくては今の自分は成り立っていないのに、余りに自然に、当たり前の様に働いている為に存在に気づかない

見る、聞く、感じる、呼吸、元々備わっている故にその機能の重要さに気づかない、これは・・人間関係も同じですかねー。当たり前、って恐くもあり有り難いことです。感謝を表に出す様に、労わりが必要ですね。

会社は色々な方が働いていますよね。部署もたくさんある会社も多いかと思います。それぞれ同じ仕事ではない。複数の仕事を会社内で行う必要があるから色々な方が働いている訳でもあります。

会社として機能するために必要なアクション、円滑に動くためには役割分担をしつつ足並みを揃え1つの目的に向かっていきますよね。この足並みを揃える、各部署を繋ぐ役割、それがからだでいうと筋膜がその1つなのですね。

そもそも健康というのは、どこかが格段に良ければ得られるものではなく、からだを構成する1つ1つのものがバランスよく働いてくれることで得られます。

エースは必要ないんですよ。大事なのはバランス。2人3脚ならぬ、30人31脚でしょうか。この30人が元から全員タフなのか、全体的に脆弱なのか、何人か遅れを取りやすいものもいるのか、は人それぞれです。

30人がゴールするためには、エースだけ頑張っても効果は低い。脆弱、弱めの部分がどこなのか、何が原因なのか、どうしたら足並みが揃うのか、それがゴール、健康への第一歩です。

元々脆弱な部分がある人は「当たり前」が少なくなるので原因を探ったり、対処対策を取ることに関してのハードルは低いかと思います。

今まで当たり前の様に全て機能していた人の場合は、突然の痛みや違和感に戸惑ってしまうかもしれませんね。

 

2.筋膜の性質に迫って見る。膜、ってどういうこと?

器官と器官、筋肉と筋肉を繋ぐ筋膜。先ほど、ぺらっと一枚ある訳ではない、とお話しましたが、筋膜は性質上3種類に分けることができます。

①浅筋膜

②深筋膜

③筋外膜

筋外膜が1つ1つの筋肉を包み込んでくる存在、浅筋膜は皮膚滑走をし易くしてくれる存在で、深筋膜は筋群を統合してくれる構造の全てを結びつけてくれる存在です。

働きが異なるので弾力性など組織の性質自体も異なりますが、筋膜は基本的には線維組織でして、性質の異なる線維が張りめぐらされて膜状になっています

波状に網目状になっているコラーゲン線維

コラーゲン繊維を支える細かく弾性度の高いエラスチン繊維

(コラーゲンはゼラチン状ではないですよ。イメージとしては、靴やベルトなどに使われる皮の様なものです)

コラーゲン繊維は、繊維それ自体は棒状のタンパク質なので繊維そのものが伸び縮みするわけではありません。

網目状に張られていることで伸び縮みができる様になっています。そのコラーゲンも、伸びすぎない様にコラーゲン同士を結びつけてくれる組織が存在します。

動きに大きく関わりのある「深筋膜」にはこのコラーゲン繊維が多数存在しています。

実際。

「筋膜」という言葉は、腱や筋と並行して位置する波状コラーゲン繊維を指すんですね。

浅筋膜、深筋膜、筋外膜それぞれは、性質が異なるだけでなく、線維の方向なども異なります。

全てはあらゆる運動に対応する為、です。

あ、筋外膜は筋肉を包み込んでくれていますが、どこまで包み込んでくれているかというと、筋肉を越えて腱まで繋がっています。どこまでも世話好きな、網羅範囲が広い筋膜です。腱といえばアキレス腱ですかね。

腱は筋肉と異なり伸び縮みしませんが、クッションにはなっている為、筋膜の動きがスムーズでなければもちろん影響は受けます。アキレス腱、ブチッ、となんて痛いですものね。

筋肉が伸び縮みするのは筋紡錘とゴルジ腱器官という名の部分が関わっていますが、張力に関係する部位で、実は筋外膜も直接関係しています。筋肉の張力そのものにも重要な任務を課せられているのです。

社会でのこうゆう存在、って私としては個人的にとても憧れるんですよね。表立って主役は張っていないけれど、そのポジションの人がいないと全体が回らない存在。かっこいいですね。

3.まとめ

筋膜。

大事にしないとなー、と少し思って頂けましたでしょうか。

筋膜を直接どうにかするのは施術で、となりますが、日頃筋膜の存在を頭の片隅に入れておいてもらうと、違和感が痛みがあったときに筋肉だけでなく筋膜も踏まえてどこが原因かな?と分析する幅が格段に広がり原因追求の道筋となります

からだの健康に魔法の方法や特効薬的な方法はありません。

まずはからだのことに興味を関心を持ち、知ってみる、ここからですよね。仕事によりストレスを溜め、ストレスを解消する方法をたくさん取り入れ毎日を過ごすより、根本的にストレスを生み出している元が何で、それをどうしたら快適になるか考え変えていく方が良いのと同じ様に、今のからだの状態がわかって初めて、どうする?方法何を選ぶ?といった順番の方が効果は断然いいですよね。

私のからだは私しか健康にできない。私のからだが健康であり続ける為に、自分のからだに合った方法を取り入れ、その手立てを探すためや自身でできないことを専門家に頼る。からだへのストレスをフリーにして人生豊かにし続けて行きたいですね!

今回は解剖学な内容になりました。事例やセルフケアもまたアップしていきますね。最後までお読み頂き有難うございます。

fumi

 

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