体幹・背

身体創り:負担なく座り続ける為に重要な【仙骨】の支え

こんにちは😊

今回は、負担なく「座位」を取り続けるための2つの支持ポイントを書きます✨

今週末(5/1(日)17:00-)にYouTube Liveでも座位姿勢を自前筋力でキープするポイントを説明しますのでそちらもご覧ください😊

0.負担なく「座位」姿勢を続ける、とはどういうこと?

私が書くブログやインスタ投稿では、「良い悪い」という表現は使っておりません。その理由は、姿勢や身体の使い方にそもそも良い悪いというのはないからです。“よい”姿勢というのは「良い」方のよいではなく、身体にとって「負担のない姿勢」を指しているのですね。

参考投稿↓

そもそも、座る姿勢をどうにかしたい目的は、座り続けることにより何らかの要因で筋肉の硬さが作られる、痛みが起こる、などを防ぎたいからだと思います。防ぎつつ、出来ればより長く快適に座り続ける状態にしたい、が目指したい先ではないかと思います。

そもそも、硬さや痛みが起こってしまうのは、重力に抗して身体を支えきれていないから=筋肉で支えきれていないから、です。ということは、❶重力に抗して座る姿勢を保つために必要な筋肉を知り、❷その筋肉が自分の身体でちゃんと働いているかチェックし、❸働いていない筋肉を働くように使える筋肉にする、ことが負担のない姿勢を作る近道であり、より長く快適に座り続ける状態にする第一歩になります。(使い方によって、肩周りや腕などの筋バランスを整える必要があるかもしれませんからね)

 

では、これから重力に抗して座る姿勢を保つために必要な筋肉を知るための、負担なく座り続ける為の2つの支持ポイントを書いていきます😊

 

1.上半身の重さを支えるための仙腸関節の支え

座り姿勢では「骨盤」だけで(厳密には違いますが^^;)上半身の重さを支えることになります。

立位では、足の筋肉が上半身を支えるために大いに役立ちますが、座位ではその支えが格段に減りますので【背骨+胸郭+肩甲骨+上肢+頭蓋+内臓】の重さを骨盤で支えることとなりますので使えていない筋肉があればそりゃあ支えられなくなってしまいますよね。

立位より、座位の方が姿勢崩れが気になる方は圧倒的に多いかと思いますので“支えきれていない感覚”はお分かりかと思います。

背骨は仙骨に乗り仙骨は腸骨で挟み込まれながら上に押し上げられている

骨盤で支える、といっても骨盤は「仙骨+寛骨(腸骨+坐(座)骨+恥骨)」の総称です。背骨は厳密には骨盤の上に乗っているのではなく仙骨に乗っています

仙骨で上半身の重さを受け、その仙骨を真横から両側の腸骨で挟み込み、腸骨につながる坐骨と恥骨で受け止め、下肢からの反力でさらに支える構造になっています。

【引用:体幹と骨盤の評価と運動療法p.9】

この構造はブリッジ活動というのですが、仙骨と腸骨を繋ぐ関節、仙腸関節がその働きを担っています。

座位では下肢からの反力補助が減ってしまう

このブリッジ活動の下肢からの反力は、あくまで立位時に内転筋群やハムストリング、大臀筋などにより起きます。ですが、座位となると大腿骨が床と並行になるために立位ほど反力を活用することができません。

下肢からの反力をあまり利用できない、となると、仙骨を挟み込む寛骨(腸骨・坐骨・恥骨)を支えるのはほぼほぼ骨盤周りの筋肉となります。支えるために使える筋肉が減ってしまうので、立位より座位の方が圧倒的に姿勢保持が高難度になるわけなのです。これは私の私的見解ですが、人の身体はどう考えても長時間座るための構造になっていないよな、と思います。時代の変化と共に利便性の向上で座る時間が圧倒的に増えましたので、身体の使い方も自ずと環境に合わせて変えていく必要が出てきているのですね〜。

今後、筋力維持、、、いや、普通に維持していてはこんな構造に合わない使い方をしているのでは足りないと思うので日常生活でも強化なのではないでしょかね。こうなってしまうと、筋力維持・強化はもはや“健康”ではなく生活を保っていくための“必須項目”になっていくのではないかと思います🤔

仙骨ー背骨を支える筋肉

①腰椎の生理的前弯をキープする筋肉

まず、重要になるのが腰椎が生理的弯曲の状態をキープすることです。

立位時にも言えることですが、腰椎の生理的弯曲をキープするための筋肉は多裂筋と最長筋が優位に使われ、この二つが優位の時に腰椎は一番負担のない肢位をキープできます。

脊柱起立筋群と称されることが多いのですが、それぞれ筋の付着位置が背骨寄り、背骨から離れた位置、と異なるため、腰椎の弯曲程度によりメインで働く筋肉が異なってくるのです。腰椎が生理的弯曲の肢位を保っていられるということは、これらの筋肉は腰椎を通過して仙骨まで走っていますから、仙骨自体も自ずと床・椅子座面に対して垂直の位置となります。また、腰椎の上に続く胸椎や頚椎も生理的弯曲の肢位を取ることができます。

静止座位、手を動かすこともなくただ座っているだけであればこれら腰背部の筋肉をメインに働かせれば、負担のない姿勢を取ることはできます。ですが・・日常生活においてただただ座ること、というのはあまりありません。ましてや、静止座位と書きましたが、座面の硬さにより柔らかければこれだけの筋肉で支えるにはかなり難しいですので、実質上これらの筋肉だけでは不十分と言えるかと思います。

②多裂筋がより働きやすくなるために必要な筋肉

多裂筋は四角形を作るように連動して働く筋肉があります。腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群です。

これらが働くことにより、背骨を支えながら、内臓を押し込みつつ呼吸をサポートしてくれます。骨盤底筋の位置を見てもお分かりの通り、これらも圧倒的に座位より立位の方が働きやすいです。骨盤底筋は位置もさることがながら、内転筋群と共に働く特徴があり、座った際に内転筋群の働きが激減してしまうと骨盤底筋群も自ずと働きが減り、体勢によっては全く働かない状態になることもよくあります。

内転筋群と骨盤底筋群を座位でしっかり使う、というより、座位でも軽く使えている状態になるために、立位でしっかり使い続けることが重要となります。立位で確実に使えていれば、筋力が低下することはなく、力が出にくくなる座位でも軽く自然と力が入る状態になります。(とは言え・・・これが、これこそが難しいんですよね〜)

 

骨盤に引っ張られないように腰椎を立たせる(軽く前弯させる)

これはもう腸腰筋ですね!!

腸腰筋と、もうひとつ重要な筋肉、多裂筋です。

この二つが働くことによって、座位でも重力に抗して腰椎を生理的弯曲である前弯の位置をキープし続けることができます。反対に、腸腰筋が硬く過緊張になっている場合や、緩んで筋力が出なくなっている場合には腰椎は容易に後弯(腰を丸める)、もしくは過前弯(反り腰)してしまいます。

 

腸腰筋は交差し連動する特徴がありますので、脊柱起立筋群が働くと連動して働く特徴があるので腸腰筋が働くと腰椎をより強化することができますね。

 

③仙骨のブリッジ活動を支える筋肉

先ほどの、仙骨を両脇から腸骨で挟んで持ち上げるようにして支えるブリッジ活動。

この活動を支えているのは、後面ではなく前面の筋肉、内腹斜筋なのです。

この内腹斜筋の下部、骨盤側が横方向に筋肉が走行しておりまして。この下部筋線維が、腹部中央から骨盤までを絞るといいますか、挟むようにして力を発揮して仙腸関節を安定させているのです。

内腹斜筋の下部は深部の腹横筋と走行が似ているんですよね。腹横筋は特殊な筋肉で、筋肉の両端が骨に付着せず横隔膜・内腹斜筋・腹直筋と筋連結しているのでこれらの筋肉と一緒に働くことで活躍できます。つまり、内腹斜筋が働いて仙骨が安定していれば自ずと腹横筋も働いてくれちゃうわけです😊腹横筋は骨盤底筋群と連動して働く筋肉なので内腹斜筋ー腹横筋ー骨盤底筋群と連なり、かつ内転筋群とも連動してくるので一石二鳥ならぬ一石三鳥にもなる運動連鎖です。

 

④仙骨をより安定させる筋肉

内腹斜筋で前面の安定が図られているので、あとは後面ですね。後面は言わずもがな大臀筋ですね。大臀筋も内腹斜筋下部と同様に横走行なので座位においても仙骨の安定に貢献しています。スクワットした際は正に大臀筋の働きですよね。腰を落とすことによって、大臀筋はほぼ横方向の筋走行になりますので、お尻にフェイスタオルを横にして押しつけた状態になりますから、お尻を前に押し出す働きができます。

【引用:体幹と骨盤の評価と運動療法p.68】

また、先ほどの内腹斜筋下部と併せて、前と後で横方向の筋肉が働くので前後で挟み込むように骨盤を安定させることができます。

ですが。。

座位で骨盤を倒して仙骨がべったり座面についてしまっていると、残念ながら大臀筋も内腹斜筋下部も使われません

仙骨が座面に対して垂直に立っているときに機能が発揮できるので仙骨を倒して座り続けると、大臀筋の衰えにも繋がってしまいます💦

大臀筋が使えなくなると、お尻が垂れる・・・ことも気になりはしますが、見た目以上の弊害が多いきいです。弱下が進むと、歩くのが遅くなる・階段の昇りが億劫になる、といったことが顕著になり、それだけでなく股関節が常に屈曲、曲がっている状態になるので太もも裏のハムストリングも同時に使わなくなり太もも前側の大腿四頭筋やふくらはぎの腓腹筋ばかり使われ、次第に膝も伸びなくなり膝関節症を引き起こし最終的には膝関節の変形にも繋がっていきます。軟骨のすり減りより遥か前にこんな傾向から膝は負担がかかり始めるのです😭

また、大臀筋が機能しないことにより大臀筋の深部にある閉鎖筋群の支えも弱くなり、坐骨から出る神経も筋肉の保護がなくなるわけなので、座るとダイレクトに神経を圧迫してしまい坐骨神経痛を起こす危険も高まります。大臀筋が座位でも働くことによって、クッション代わりになり坐骨神経を圧迫する要因を回避してくれます。

筋肉を使わず座り続ける代償は至る所で現れてくるんですね😭恐ろしや〜。

 

⑤体幹を補強する腹斜筋

①〜③で既に仙骨は安定し骨盤を立てて座れるようになってはいますが、より長い間キープするという意味で、ここでもうひと押し。

先ほどでた内腹斜筋。内腹斜筋と対になり働くことで体幹のコルセット的役割を担う筋肉が外腹斜筋です。この二つが働くことで、体幹を引き上げて胸郭を筋肉で支えられるようになります。

先ほど書いたように、腹斜筋の深部にある腹横筋は内腹斜筋と筋連結をしていますので、同時に腹横筋も働くようになります。腹横筋・外内腹斜筋が働き、背骨を支える脊柱起立筋群も働いていれば体幹は倒れようがありませんね😊

2.肩甲骨が上がるのを防ぐための肩周りの支持(おまけ)

これまでの筋肉が働いていれば、もはや体幹は支えられていると言っていいと思いますが、ただ座り続けている方はいないと思います。大抵は手で何かしらの作業をするために座り続ける方が大半だと思います。

体幹を支えられていれば胸郭(肋)は支えれられていますから、胸郭上に乗る肩甲骨は安定します。肩甲骨が支えられていれば、腕は力を抜いていられますので最小限の力で手を操作し続けることができます。

ですが、とは言え肩甲骨も腕の重さに引っ張られないようにより支える力を発揮する必要があります。腕の重さにより生じる肩こりはこちらをご覧くださいね。

腕の重さに引っ張られないようにするなら、肩甲骨を背骨側に引き寄せる必要がありますね。引き寄せる筋肉はご存知の方も多い方お思われる菱形筋ですね。

菱形筋は前鋸筋と対になっており、どちらも拮抗して均衡の力を保っていると肩甲骨が前に出ることはありませんが、菱形筋が弱くなると前鋸筋が強くなり肩甲骨を前側に引き出してしまうので腕の重さに耐えられず肩甲骨は過剰な力を出して腕を肩側に引き寄せようとして筋肉は硬くなってしまいます

とは言え。

菱形筋は脊柱起立筋群の上に走行しています。

ですので、菱形筋を使えるようにするには、下の脊柱起立筋群がしっかり使えていないと菱形筋は使えるようにはなりません。つまり、背骨が丸まった状態ではいくら菱形筋を強化しようとトレーニングしていても使えているのはトレーニングの時だけで、日常生活においては「使えない筋肉」となってしまうのです。ですので、まずは土台である背骨、背骨を支える仙骨の安定から身体を創っていく必要がある訳です😊

・・・むしろ、背骨が重力に対して真っ直ぐ支えられているなら、肩甲骨は自然と胸郭の背部に収まってくれますからトレーニングせずとも日常生活範囲であれば菱形筋は「使える筋肉」になります。姿勢を整える、肩こりを改善するなどの目的であれば菱形筋を敢えて鍛えるより、その下を整えたほうが根本解決になるのです✨

 

肩周りの筋肉は、もちろん菱形筋だけではありません。それはも〜沢山ありますのでここで書くと終わる見込みがありませんので😂、今回は菱形筋に絞るだけにしますね。肩周りの肩甲骨を支えるための筋肉はこれまでも多々書いていますのでそちらをご参照ください。

 

座る姿勢は私の主観としては立位より保持は難しいな〜、と思っています。

立位であれば、ある程度時間が経てば「疲れる」ので休むと思いますが、座る姿勢では筋肉はそもそも使わなくても骨で支えたり、皮膚や靭帯や筋肉を使わず硬らせてつっかえるようにしてなんとか支えて座れるので「疲れない」ので気づくと硬くなり筋バランスの崩れが大幅に起きてしまう。だから難しいと思うのです。

ただ身体を椅子に乗っけるだけでなんとか重力に抗していられますからね。一見楽そうに見えますが、その代償はかなり大きいです。気づいた時には全身の筋肉バランスが崩れ、弱化が進み、筋肉や筋膜他組織の滑走性不良による硬さがあちらこちらにでき、筋肉が実質短くなり伸びなくなる筋短縮が起こり、関節の可動域が減りどんどん全身が硬くなり、終いには骨の変形や内臓への影響も起きるようになっていきます。

痛くなってから、支障が出てから対処する習慣ができてしまっている方が多い印象がありますが、身体のことを考えるなら、この先何年もこの身体と付き合っていくことを考えるなら対処しなくてはならない状況ではなく、姿勢の崩れや違和感程度で対策を練っていく方が幾つになっても動ける身体でい続けることができます。幾つになっても快適な身体、年齢を感じない身体であり続けるなら、何歳から始めたらいい、というものはありません。今この時からはじめるのがベストです😊

身体はすぐには変わりません。すぐには変わらない強さがあるのです。だからこそ、今から丁寧に自分の身体を自分自身で創り上げていく。医師など専門家の力は乗っかるものではなく、借りるものです✨身体を管理するのはあくまで自分自身で、自分にしかできないことです。こういった知識はあくまで知識であって、それを活かすも机上の知識にするのも自分次第です😊

この投稿や、ブログを読んで、理解はできたけれどいざ自分で自分の管理をするとなるとどうしたら良いか・・・と感じた方はぜひご相談くださいませ✨それこそ専門家の力の見せ所です。ブログでできることはこう言った知識を載せることくらいです。個々の身体に合わせて何をしたら良いのか?は直接でなければ提案が難しいですから。精密な評価をしながら、あなたの身体に今何が必要なのか?今後何をすべきか?など知識と合わせてあなただけの身体の管理方法を見つけていきましょう☺️✨

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