セルフメンテナンス

「腕に常に力が入ってしまって・・」力が抜けない本当の理由

1.腕の力が抜けない理由

こんばんは。

そして、お久しぶりです。

blogの更新を後回しにしていたら、先日、お客様から心配して頂いてしまいました(ノ*´>ω<)ノ

はい!私は元気です!!

小児の訪問リハビリも担っておりまして、ここ最近、調子の悪い子がいまして、回数を増やしてリハビリを実施しておりました。

ご予約も取りにくくなりすみませんでしたm(_ _)m

呼吸器系の不調で、医療的手立てがなくなり、できることをやりましょう、と私も急遽増回し少しでも力になれれば、と動いておりました。

移動が多いとちょっと、というか1日の終わりにはかなりくたびれ人になるためここ最近PCも開いておりませんでした(●´ー`●)

そして、周りもご家族も、そして何より本人が最大限頑張った結果、その子は短い短い人生を終えました。

やっと心が前を向いた今日この頃でして。なのでこれからまたblog更新していきますので宜しくお願い致します。

 

今日はですね、

「腕の力が抜けない、常に力が入ってしまう」

その理由を書いていきます。

これには、例の如く、様々な理由があるのですが、先日お越し頂いたお客様が私でも驚いた理由でしたので1事例として書いていきます。

 

なぜ驚いたかというと、

大人でそういった方に初めてお会いした

からです。

そういった方に会ったことがない、と言うよりは、ご本人がそうであることに気づいていないので人に言いようがないから私も会ったことがない、といういう理由です。

 

先日の施術は二回目だったのですが、あれ?と思いました。

日を詰めて来て頂いたのでそこまで硬くなるはずがないのに硬さが完全に戻っているのです。

勿論、使いすぎた場合はそういう場合もあるのですが、お聞きしている普段の動作からは完全に戻るとは思えなかったので、とても不思議でした。

なぜだ・・・(゚Д゚≡゚Д゚)

 

こういった違和感には必ず理由があるんですよね。

その違和感の理由に気づいたのは、施術途中でお聞きした身体の気になる点でした。

 

「親指に力を入れると、(関節が)カクッ、となるんです。」

 

カクッ?

やって頂き、こういうことでした。

指先により力を入れようとすると、カクッ、と関節が曲がってしまうんです。

本来なら、指先に力を入れようとすると、

この関節は曲がらず、伸ばす働きを担うように力が働きます。

ですが、その力が働かず、力が逃げてしまうと

こうなってしまうのです。

 

これはもしや・・・

と質問させて頂きました。

「もしかして、小さい頃、ほとんど四つ這いせず歩き始めませんでしたか?

 

なんと。ビンゴでした。

「すぐ歩き始めたので親も驚いたと言っていました」

やはり大人の方でも残る方はいるのか・・・そうか。。。

 

何を言っているのやら、という感じですよね。

ちょっと前情報ですが、人間というのは、人の身体というのは勝手に自然に発達していくものではないんです。

発達段階と言って、必要な身体の使い方の経験を積み重ねることで、階段を一段一段登るように身体が作られていくのです。

寝返りも、お座りも、はいはいも、つかまり立ちも、すべての段階に意味があり、これらを繰り返し練習することで次の段階に進み、発達することができるのです。

 

ですが、稀に、この方のようにお座りができるようになったかと思ったら、はいはい経験がほぼないまま立ち上がり歩き始める方もいます。

こういった発達の飛び級をすると、その後同様の動作経験を重ねた場合を除き、後々に身体の使い方で少し不都合が起きてくるのです。

先ほど、すべての段階に意味がある、と書きました。

 

例えば、

寝返りは、仰向けから身体を捻る筋肉を繰り返し使い身体を捻ることで使える筋肉となり、感覚も入り、使い方を学ぶことができます。同時に、身体が回転するので傾きなんかも自分で動いて回数重ねることで獲得することができます。

お座りも、座ることで重力に抗して腰から上の身体、特に頭を首から下の身体で支える力をつけることができます。座ると視野が広がるので見る力なども伸びてきます。

寝返り、お座りも他にも獲得できる機能は多々ありますが省きますね。

 

では、

這い這いにどんな経験が詰まっているのか。

それは、

肩関節の安定

です。

 

これこそ、腕や手の力を効果的に使うためにとてもとても重要な力なのです。

手の操作というと指や腕の筋肉だけ使っていると思いがちですが、これらの筋肉を使うためにはそもそも腕、肩関節が「安定」していることが必須となります。

2.肩関節の安定さを担う筋肉

どういうことかと言いますと、

腕立て伏せで腕の力が抜けず、肘を曲げ伸ばしできるのは、腕の力がついているからではなく、肩関節が安定しているため、なんです。

そもそも、腕だけで上半身を支えられるのも肩関節が安定しているからこそ出来るのです。

安定、というのは、ココ、肩関節に力が入っている、すなわち、上腕が常に肩甲骨に引き寄せられている、ということです。

これ、伝わっていますでしょうか(´-ω-`)

 

筋肉でいうと、肩をホールドしてくれる働きを持つローテーターカフがちゃんと働いてくれている、状態です。

この筋肉は例えば、

腕を伸ばしたまま上半身を起こす

腕の力を全く使わずに肩を動かす

腕を伸ばしたままぶら下がる

腕を伸ばしたまま肩甲骨を動かすことで腕を引き寄せる

ときなど使われているかわかります。

これと、腕の力が入っている状態との違いはこちら。

・・・わかりにくい、、ですよねー。

下の写真は上腕二頭筋などを使って上体を引き上げているのに対し、上の写真は肩に腕を引き寄せることで腕で体重を支えることができています。

 

ローテーターカフは腕を肩に引き寄せてくれるので、

この筋肉を鍛えると肩の安定度が上がり野球などでは速球が投げられるようになります。

日常でも、PC操作など手先の操作をする際には長時間経つと肩が上がる、すくむような状態になる時があります。そんな時はローテーターカフに力がかなり入っている状態です。

因みに、

同時に前鋸筋や肩甲下筋も使われますよ。

あ、逸れました。すみません。

先ほどの這い這いに戻ります。

 

這い這いを飛び級した場合、這い這いの動きそのものが肩関節を安定させる経験を積むためでもあるので、ここをすっ飛ばしてしまうと肩関節が安定しないまま手先を動かす様になってしまいます

こういう子・・・

結構いるのです。

 

こういう方の場合、何が起こるかというと、根元がグラグラしたまま腕や手の力を使うことになるので、不安定を補うために余計に腕や手の力を入れて動かす、ということが起きます。

 

例えば、

「ちゃんと動かしているのにうまく手が動かない」

「力の加減が難しい(力が入りすぎる、力がうまく入らない)」

「机を運べない(持ち上げられない)」

「雑巾掛けができない。雑巾が絞れない」

「マット運動が苦手。そもそも運動が苦手。」

「とても不器用」

「字を書こうとすると力が入りすぎて芯がよく折れる」

など、こういったことが現れる様になるんですね。

(これらは別の要因によって引き起こされることがありますので、必ずしも筋肉が使えていないからではありません)

 

這い這いを経験した子でも、その後、雑巾掛けの態勢の様な腕全体に体重をかける経験が少ない子も同様になります。こんな動きはめっぽう苦手だったり。

最近の子は動画やゲームをして過ごし、ダイナミックな動きを伴う遊びをする機会が減っているので経験不足故にこういう子は増えていますね。

 

この方も、そうだったのですね。

私が驚いたのは、大人でお会いしたのが初めてだったこともそうですが、それ以上に、この方、フルートを演奏されていたり、ピアノを弾くなど、指先を使う動作を頻繁に行っているのです。

フルートやピアノは特に、指先の巧緻性がかなり必要になります。

つまり、

肩関節が安定していないと、指先に余計な力が入ってしまい、早く指を動かすことが難しくなりかなり労力のいる動作なのです。

 

思わず聞いてしまいました。

「よく楽器演奏されていましたね」

そうすると、なんと。

「はい、気合いで」

(°_°)(°_°)(°_°)(°_°)(°_°)(°_°)!!!

これ、かなり大変なことなんです。

私もクラリネットピアノをやってきたので指を早く動かすことがどれくらいのものかわかっているつもりです。

それを思うと、肩関節が安定しないままで・・・凄い、凄すぎる。

 

肩関節が不安定のまま動かそうとすると、ローテーターカフで安定させる代わりに腕の筋肉に力を入れることで肩関節の安定度を高めようとします

もうこの時点で腕の力を抜くことはできません

そうです。

肩関節が不安定なために、腕に異常に力が入る。どうりで力が抜けないわけなのです。

楽器操作以外にも、家事動作やその他あらゆる指の操作をする度に腕に力を入れ肩関節を安定させようとするのでいつも腕には力が入っている状態になります。

そりゃあ、力、抜けないですよね。

 

因みに。

小さい頃からこういった状態の場合、使う経験が少なく使えるようになっていない、のですが、

大人になって腕の力が抜けなくなった場合は、ローテーターカフに力を入れ続け過ぎて使えなくなった、為です。

 

どちらにしろ、

ローテーターカフを使えるようにすればいい

という訳です!

 

小さい子の場合は単に使う経験を重ねていないことが要因なので「使う頻度を増やす」ことで使えるようになります。

ですが、

大人の場合は、”使っていない時””使いすぎた時”が長すぎて筋肉そのものが硬く短くなっています

なので、

①緩めて

②使えるようにする

この順で対策をとっていく必要があります。

 

このお話をさせて頂いたら、

「長年思っていたことの謎が解けたようです!」

と明るい表情をされていました。

そうですよね、まさかそんなことが起きているなんてわからないんですよね。

こういった身体の背景知識がなく端からみたら、そんなに頑張っているなんてわからないものですし。

 

なぜ私が、もしや?と思ったり、ここまで詳しく書いたかと言いますと。

こういった子どもたちの運動面の支援をしているからです(●´ー`●)♪

これも私の大事な仕事の一つなのです。

 

身体がうまく使えないのは怠けているわけでもその子が悪いわけでもないです。

ですが、周りの大人から見たらなぜそうなるのかわからないので、どうしても「頑張れ」と言われたり、「しっかりやりなさい」など指導されたりしてしまいます。

頑張っているのにうまくいかないし認めてもらえない・・・自尊心を失うことにもなりますよね。

大人と同じで、子どもの行動・運動・言葉には全て理由がありますから。

その代弁者となることと、サポートし発達を促していくことをしているんですね。

あ、これも余談です笑。

整体でも役立って良かったです!

3.緩めるには・・・

ローテーターカフを緩めるのは・・・一度固まったローテーターカフを緩めるのは結構かなりとても大変です。

根元過ぎて、外からなかなか触れなすぎて硬くなっていることにも気づきにくいんです。

施術でも、年月が経っているものは一度ではなかなか難しいです。

一発逆転、な方法はここに関してはないので、じわじわ緩めて伸ばすしかないです。

日頃のケアの方法はこちらを参考にしてみてください。

↓肩甲骨と肋の間を離すように動かす

↓ 肩甲骨の後ろ側もかなり硬くなっています。そして、体側も。

↓ 肩関節をグラグラにするのも大事です。

↓そして、毎日やったほうがいい動きです。腕の重さで肩関節を動かします。

これ、痛い方は、そこで諦めると更に硬くなります。必ず痛みなく出来るまでやってください。

 

これらをやっても・・・頑丈な硬さをお持ちの方はなかなか緩まないと思います。

痛いとご自分ではあまり進められないと思いますし。

それくらいローテーターカフは硬さが取れにくい筋肉たちなのです。

緩めると同時に、動かす、ことがとてもとても大事ですので毎日動かしてください。

もし、当院にお越しの場合も回数がかかることをご承知の上ご来院くださいね。

硬くてもあまり思い詰めずに、気長に緩めてみてください。

 

fumi

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2019年GWは、いつもながら当院は祝日は特に関係なく開いておりますので通常通りです。

長引く肩こり、首の痛み、腰痛 、取れない硬さや張り感は当院にお任せ下さい。根元から緩ませます。

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