はじめに
耐える筋トレから変化が楽しみになる筋トレになれば続けたくなるのではないか
こんにちは。
座る時間が多い生活が続くと、筋力低下は気になるところ。40歳以降は何もしなければ筋力は次第に低下していくという研究結果も出ている。筋トレ、やらなければ、、、と思うがどうにも続かない😭
その理由の一つに、やってもすぐ効果を感じられない、だから続かない、ことがあるよな、と思っています。
身体を整える仕事をしていると、「硬さの蓄積をなんとか止めたい」と思うけれど、使い方を変えるのも、使える筋肉を増やすのも、こちらからは出来ることが少ない。
なので、終始考えていることは、「どうしたらこの人は続けてくれるか」これに尽きるわけです。
でも皆さんをみていると、「変化」を感じれば感じるほど、“これを維持したい”もしくは“もっと変えたい”と思われている。
ならば。
筋トレが「やればやるほど身体が変化する」ことであったら自然と取り組みたくなるのではないか、と日々効果的な方法を考えています。
とは言え。新たに画期的な方法を生み出す必要はなく、筋トレ効果が出にくいのも、ただ表面的に動きを模倣しているだけだから効果が出ないことがほとんど。
ですから。
私のブログでは、今やっている方法、以前やって続かなかった方法を「効果の出る方法」に変えるポイントを書いていきます。
どの筋肉も、刺激の与え方で同じ10回でも雲泥の差の刺激量になります。
今回は、スクワットを通して、これから書く内容を試してみて下さい。100%刺激を与えながら行うだけで、1週間もあれば眠っていた筋肉は起き始めはじめます。(筋肉が硬直し、動きにくい箇所がある方を除く)早い方は1、2日で不意に行う日常生活の動作が変わることを実感されると思います。
刺激量が半減する方法で続けているからこそ、効果をすぐに感じにくい。
スクワットは、股関節不安定により刺激量が激減する
股関節の不安定。
不安定、と聞いても「別に不安定だな、と思わないけど?🤔」と思うと思います。
それもそのはず。
問題なく立てて、歩けていれば意識して「不安定さ」を感じることはないはずです。
なぜなら、
本来働くべき股関節を支えている筋肉が十分に働いておらず、代わりに他の筋肉によって股関節が支えられている
からです。
別の筋肉が代行しているので実質上、「不安定さ」は感じないけれど、本来の役割ではない筋肉が代行しているのでそのまま使い続けると、当然のことながら『痛み』や『違和感』として身体は感じます。
実感はなくとも、振り返るとこう言った症状が現れているのではないでしょうか?
痛みや違和感は「不安定」さが続いた結果生じる不具合でもある
股関節の不安定さが続くと生じる症状・状態
- O脚
- X脚
- ガニ股
- 立位で、手の拳半個分以上、左右の膝が開いている
- 歩くスピードが遅くなった
- 股関節の詰まりを感じる
- 物を取るときに足を曲げず取ることが多く、しゃがんで取ることをしなくなった
- 歩行時に一本線ではなく二本線の上を歩くように両足を広げて歩いている
- 片足立ちになると一瞬ぐらつく
- 片足立ちになると体重が外側に流れる
- 骨盤横、大腿筋膜張筋が常に張っている
- 階段を昇るのが億劫
- 腰横、中臀筋が常に硬い、張っている
- 太もも前側の筋肉が盛り上がる、硬くなりすぎる、膝を曲げても臀部に踵がつかない
- 太もも裏側の筋肉が伸びにくい、膝が完全に伸びない
- 立位で、骨盤が後か前に倒れやすい
- 歩く/走ると骨盤横、大腿筋膜張筋辺りが痛くなる
- 歩く/走ると膝横外側・内側が痛くなる
- ゴルフやテニスなどスポーツをすると膝横外側・内側が痛くなる
など。
これらは全て、お客さまで痛みや違和感につながる股関節の不安定さが見られた方に見られた症状です。
他にも違う症状は多々ありますし、これらの症状も単なる筋力低下ではない場合も多いのであくまで例と考えてください。
これらの症状がイコール「股関節の不安定」さだけの要因ではありませんが、要因の一つとして股関節の不安定さは挙げられます。
股関節の不安定さは股関節そのものに違和感・痛みを感じるだけでなく、足にまつわる違和感・痛みの要因にもなり得る
股関節の不安定さがスクワットの筋トレ効果を下げる理由
1.筋肉には【支える】【動かす】役割がある
刺激量を激減させる理由として、股関節の動きに関わる筋肉の中で【支える】【動かす】がしっかり役割分担できていないことが挙げられます。
動きが引き起こされているのは関節です。その関節を形成するのは骨と骨で、その骨と骨を繋ぐのは、筋肉・靭帯・関節包などの軟部組織です。
これらの組織が、【支える】【動かす】役割をそれぞれ担うことによってスムーズに骨を固定しながら骨を動かすことができ、筋肉を覆う筋膜により更に筋肉と筋肉の連動性を引き出し、一番表層の皮膚がそれらを全て覆い包んでいることで人の身体はスムーズで多彩な動きを実現することができます。
靭帯・軟部組織は【支える】役割のみですが、筋肉は【支える】役割も持ちながら、筋膜と連動して【動かす】働きも担います。
股関節においても、
【支える】役割をメインで担う深層筋、【動かす】働きをメインで担う表層筋、二つの役割が同時に働くことによって「安定性」を保ちながら動かすことができます。
ここの役割分担が不足していることこそが、スクワットによる筋肉強化の効果を半減させている一つなのです。
何が不足しているのか?
お気づきの通り、不足しているのは【支える】力の働きです。
刺激量が100%にならないのは、「支える」筋肉が働いていないから
2.【支える】役割を担う深層筋
骨盤と、大腿骨を繋ぐ筋肉が股関節の動きに関わる筋肉ですが、深層にあるのが閉鎖筋群です。
この表層にあるのが臀筋などですね。
深層の筋肉のメインの働きは、骨盤が固定されていれば、骨盤側に大腿骨を引き寄せながら外に開きます。(外旋)
力の方向はこの様な感じです。
【引用:アナトミー・トレイン第二版-徒手運動療法のための筋筋膜経線p.228】
閉鎖筋群は単純に外に開く働きだけでなく、立位で大腿骨が固定されたときに大腿骨の上に骨盤を持ち上げる働きも兼ねています。
【引用:アナトミー・トレイン第二版-徒手運動療法のための筋筋膜経線p.233】
この閉鎖筋群が働かないと、骨盤に大腿骨が引き寄せられすぎて“関節が詰まる”症状も起きやすくなります。
【引用:アナトミー・トレイン第二版-徒手運動療法のための筋筋膜経線p.233】
股関節の”クッション”の様な働きですね。
根本がしっかり支えらえているので骨がブレない。ブレないから表層の筋肉が思う存分力を発揮することがでる。
思う存分力を発揮することができる状態が、筋肉に刺激を100%与えられている状態、です。
スクワットの時、これらが働いていないとどうなると思いますか?🤔
股関節の動きを司る「支える」筋肉は閉鎖筋群。「支える」「動かす」それぞれ役割を分けて力を出せるとパワー出力が最大化する。
3.閉鎖筋群が働かないときに代わりに股関節を支えるのは?
インナー・アウター、とも呼ばれていますが、【支える】【動かす】筋肉は厳密に分かれているわけではありません。
必ず支えるだけしかしない、動かすだけしかしない、という筋肉はないので、厳密には分けられないのです。
股関節の場合はどうか。
根本の閉鎖筋群が働いていなくても股関節は支えないとなりません。閉鎖筋群が働かなくなったからといって立てなくなる、歩けなくなる、とは聞いたことがありませんよね。
ではどうなるかというと、表層の筋肉が【支える】働きも担うのです。
右側の画像の内、右側が表層の筋肉になります。
これらの筋肉が【支える】働きと【動かす】働きも担います。
まぁ、支えることは一応出来はするので全く動けない、ことはありません。
でも、やはり構造上【支える】ことは向いていないので不安定になってしまうのです。
4.深層筋の代わりに表層の筋肉が働きすぎるとなぜ筋トレ効果が出にくいのか?
表層の筋肉は深層の筋肉と比べると関節の根本から離れてついているので、働かせると大腿骨を骨盤に引き寄せすぎてしまいます。
それだけでなく、外側から引き寄せるので力が分散されてしまい、大腿骨頭がずれやすく力を出すと同時に一度骨頭がブレてから働くので100%その力が発揮されにくくなります。
力を働かせると同時に、骨頭がブレるために、片足立ちになった瞬間が一番ぐらつくのです。その後は表層の筋肉でなんとかバランス取ろうとするので止まれるわけです。
これ、スポーツではかなり命取りとなるブレです。
このブレがあるだけで、表層の筋肉の出力も下がるし、瞬発力も下がるし、動きの方向性の精度も下がります。この状態でいくらトレーニングをしても成果には結びつきません。結びつかないだけならいいですが、競技となると、その動きを達成させるためにかなり負荷をかけることもあります。ブレ続けている中での更なる負荷。次第に違和感や痛みが現れてきて当然なのです💦
「支える」筋肉である閉鎖筋群が働かないと、動かすたびに骨がブレる。ブレると「動かす」筋肉の力も激減する。だから回数を重ねても効果が出ない。
閉鎖筋群を働かせるコツ
1.大腿骨はどこから動いているのか?
まずは、ボディイメージの変換からしましょう。
先ほどの閉鎖筋群の筋肉のついている位置から、力がどう働いているかイメージを変えることで閉鎖筋群が働きやすくなります。
股関節を動かした時、どこが動いていると思いますか?
ここ、ですよね。
そりゃそうだよ、と思われるかもしれません🤔
現に、ここが「股関節」ですから。
でも。
このイメージがスクワットの時に深層の支える筋肉を使いきれない要因だったりします。
関節の動きとしては、確かにここが動いて足が動くんです。ですが!
筋肉自体はどうでしょうか?
筋肉は、起始と停止があり、一点に向かってもう一点が近づくことで縮み、(屈曲)近づいた点が離れることで伸びますよね。(伸展)
梨状筋を例にしてみてみます。
骨盤が固定されている場合、梨状筋を働かせると青から緑方向に筋肉は動きます。
外旋の動きなので後に捻られながら大腿骨頭が骨盤側に引き寄せられます。骨の繋ぎ目は股関節ですが、動きの支点は緑の位置になります。
効果的に力を発生させようと思ったら、力を一番入れたいのは動きの支点です。閉鎖筋群を働かせながらスクワットをするには、この緑の場所を意識しながら動かすと「支える」筋肉を働かせながら「動かす」筋肉を使うことができるのです。
先ほどの画像に戻ります。
緑楕円はこちらの赤丸と同じ箇所です。この赤点方向に向かって、力は働き、この赤点に向かって大腿骨が引き寄せられます。
では。最初に見た股関節の絵と比べてみましょう。
思ったより外側ではないでしょうか?
実施に力が集まっているのはもっと内側、仙骨に力が集まっているのです。スクワットの際に、お尻を落として立ち上がる時、仙骨辺りに力が集まっているでしょうか?
効果が出ていない方は恐らく、股関節、もしくは大腿骨に力が集まっているように感じているのではないでしょうか?
この認識の違いが何を生むかというと、脳から筋肉に伝わる伝達にズレを生じさせるのです。
やりたいことは、閉鎖筋群を働かせながら表層の大臀筋やハムストリングを動かしたい。
それにも関わらず、違う場所に力が集まっているとイメージしているだけで股関節の位置までしか“動かせ”という指令が伝わらなくなり、股関節から外側ばかり使われ、股関節から内側にある根本の筋肉は動かなくなるのです。
股関節だと分かりにくい方は、腕を動かすことを例にしてやってみてください。
この絵の青丸と赤丸の位置を参考に、
1・腕を赤丸が支点だと思ってあげる
2・腕を青丸が支点だと思ってあげる
意識を変えて2回腕を上げてみてください。
どちらの方が大きく動けましたか?
青丸を支点だと思って腕をあげた時の方が大きく腕を動かせたはずです。
赤丸を支点にした動きは、肩関節から腕が動いているとイメージした時の動きで、青丸を支点にした動きは「肩甲骨から動かしている」とイメージした時の動きなのです。腕をあげる動きは、実際は腕だけがあがっているのではなく、肩甲骨も動くからこそ最大限動かすことができるのです。
このイメージは、ボディイメージと言います。
ボディイメージのズレが脳と実際の筋肉の働きにズレを生じさせ、本来やりたい動きが実際にはできていない結果となるのです。
ボディイメージのズレによって本来動かすべき筋肉が働かなくなっている
2.ボディイメージの変換
ボディイメージとは、固有受容覚(体性感覚)という感覚で、これは「見ないで自分の身体をわかる感覚」とも言えます。これを意識で変えるのです。
脳みそを騙す、感じですね。
実際に動きながら体感してみてください。
今まで無意識にここが動いているとイメージしていた青丸から、緑三角の位置から大腿骨は動きている、とイメージして動いてみてください。
二点ではなく、一点の三角にしたのは、その方がイメージが定まりやすいからです。
※あくまでスクワット(股関節伸展の動き)の際の動きです。足を持ち上げる時は大腰筋の付け根になるので位置が変わります。
閉鎖筋群だけでなく、表層の臀筋も緑三角の位置についていますから深層、表層、どちらも働きやすくなります。
これはスクワット動作だけではなく、股関節を進展させる動き全てに使えるイメージの変換です。歩行時だと、足が地面について地面から離れるまでの動きです。歩行時に軸足なった方の足は緑三角に引き寄せられている、とイメージして歩くと外側に力が流れなくなり、内側の内転筋群の力もグッと入り易くなることを感じられると思います。
仙骨付近を動きの支点だとイメージして動かすだけで「支える」閉鎖筋群が働くようになる
スクワットで効果的に臀筋やハムストリングを働かせる
イメージを変換できたところで、スクワットの実践に入っていきます。
1.閉鎖筋群を働かせる
先ほど書いた、イメージの転換ですね。閉鎖筋群がしっかり働くことで大臀筋やハムストリングを効果的に働かせることができます。
動きの支点のイメージを変えて閉鎖筋群の力を引き出します。
腰を落とした時は大腿骨が骨盤から離れますのでその時点では働きにくいです。身体を引き上げる時に使われますので、腰を落として引き上げるその時にこのラインを意識して起き上がってください。
恐らく、今まで無意識だった時と比べて、力が外側に逃げにくく、グッと内側の筋肉が働きやすくなる感覚も感じられるはずです。
このイメージを変えることだけで、
- 内転筋群や骨盤底筋群が働きにくかった方
- 大腿筋膜張筋が張りやすく硬くなりやすかった方
- 膝外側が痛くなりやすかった方(膝内側の方も)
- 腹圧がかかりにくかった方
は動作時にこの意識を入れるだけですぐに変化を実感できると思います。(筋肉が硬すぎる方は変化を感じられるほど筋肉が働かない可能性あり)
意識だけで動きの支点を変えられたらそれで良いのですが、イメージの変換が頭で理解できても実際やると本当に閉鎖筋群が働いているのかよくわからない・・という方の為に。
チューブを太ももに巻いて行うことをお勧めします。
チューブでなくてもこんなゴムでもいいのです。
二連にすると抵抗感じられると思うので、
この状態で太ももに引っ掛けるのです。
輪っか状になっていないバンドでもできますよ。セラバンドを二連にして結んであります。
バンドで足を挟んで固定することだけで、大腿骨が骨盤に引き寄せ易くなります。この時点で閉鎖筋群は使われますから、意識せずとも勝手に働いてくれるようになります。
チューブは、負荷を強くするだけでなく、こういった使い方にもとても役に立つので一つあると便利です。
この黄色は負荷が2番目に弱いものなので、肩周りのストレッチや、仰向けで足底に引っ掛けて太もも裏を伸ばす時にも使えますよ。
チューブでもわからない・・・方はこれ!
バランスディスク。
これに両足を乗せて、スクワットをします。スクワットをしなくても立っているだけでお尻にキュツと力が入り易くなり閉鎖筋群が使われます。
乗るとわかるのですが、両足別々に乗せるので、閉鎖筋群だけでなく他の中心にある筋肉も働き易くなるんですよね。骨盤底筋群や腹横筋、内転筋群もよく働きます。体の軸を強化するためにスポーツのトレーニングでよく取り入れられているのも頷けますね。私はバランスディスクに乗って、チューブもつけてやっています。平地より断然効果を実感できますし、何より腹横筋が働くのでこればっかり乗っています。
2.動きのどのタイミングが重要なのか認識する
「身体を上下させること」で満足してしまっていては勿体無いですよ😊
スクワットは単に上下運動をするためのものでなく、
お尻と太もも裏を鍛える、股関節を伸ばす筋肉を鍛えるための動きです。
股関節を伸ばす、ということは、しゃがんだ状態から立ち上がる、この動きがとても重要なのです。
立ち上がるこの時に今お尻と太もも裏が強くなっている!と意識をそちらに向けると出力が上がります。
3.スクワットのポイントを理解する
スクワットのポイントでよく言われる、これらのポイント。
なぜこうするのか、わかってやるのと、ただのポイントとしてやるのでは効果が全く違ってきます。
まずは、一旦これらのポイントを忘れてこの絵をみてください。
これがスクワットの効果を最大化するポジションと動きです。
①はじめのポジションがとても重要
はじめのポジションが効果的な体勢であれば、動いた時の筋肉を最大限発揮することができます。
上の絵だと左側の体勢ですね。青線より身体が前に出ています。この前傾姿勢が重要なのです。
前に身体を傾けることで、股関節が前に傾きます。股関節の傾き、厳密には仙骨の傾きですが、仙骨の傾きに合わせて背中も斜めにします。
手のひらを上にして、足の付け根に当てながら前傾すると骨盤から上半身を傾けることができ、脊椎が丸まってしまうことを防げます。
ちょっと本日髪の毛がもさくなっておりますw
スクワットは、
股関節ー膝関節ー足関節の連動した動きであると同時に、脊椎ー股関節の動きの連動性も重要となる動きです。頸椎ー胸椎ー腰椎が仙骨の動きと連動してこそ臀筋とハムストリングの力は最大限発揮できます。ですので、背中、脊椎は仙骨に合わせた角度でなければならないので、「背中は真っ直ぐ」となるのです。
脊椎ー股関節の動きの連動性は、スクワットだからではなく、筋肉自体の連動性からきます。
筋肉は伸び縮みはしますが、動きの方向性を決めたり、他の筋肉と連動して働かせようとする働きはできません。これらをしているのは、筋肉の上につく筋膜です。筋膜が筋肉の連動性を引き起こしているのです。
この筋膜の連動性にはいくつかパターンがあり、スクワットの動き(股関節の伸展)はこのパターンのうちスーパーフィシャルバックライン(SBL)というラインで、身体を伸展させるための筋肉の連動性を引き起こすラインです。
【引用:アナトミー・トレイン第二版–徒手運動療法のための筋筋膜経線p.82】
このラインを動かすためにスクワットがある、と言っても良いくらいスクワットはこれらの筋肉全てを連動させる動きですよね。
脊椎を真っ直ぐに保つことと、少し前傾になるのは脊椎を支える脊柱起立筋群を働かせるためです。脊柱起立筋群が働いてこそハムストリングは筋力が最大化するので、背骨が曲がって脊柱起立筋群が働いていないと回数を重ねても一向に強化されないのです。
前傾することで腸腰筋も働きますので、腰椎は更に安定しますね。背骨が支えられていれば腹横筋も働き、腹横筋が働けば骨盤底筋群や内転筋群も働きますのでこれらの筋肉の連動性も促すことができます。
動く前のはじめのポジション取りから全てが決まる。「骨盤前傾」「背骨前傾」=背中真っ直ぐ
②骨盤の前傾と脊椎の前傾を変えないように斜め後ろに腰を落とす
はじめにとったポジションから、骨盤の傾きと脊椎の傾きを変えずに、「斜め後ろ」に腰を落とし、落としたところから再びはじめのポジションに戻ります。この骨盤の傾きと脊椎の傾きを変えないように腰を落とすことと、「斜め後ろ」が大事です。骨盤に引いた赤線ですね。
なぜかと言うと。股関節の伸展の動きを引き出したいわけなので、伸展を最大化するにはその前に屈曲させそこから股関節を伸ばす。筋肉で説明すると、伸展の動きをする大臀筋とハムストリングが縮む力を最大化するには、一度よく伸ばし、そこから縮めることでより多くの力を引き出すことができるわけです。なので股関節の角度はより小さくなる方がいいのです。
また、体重が後にかかった状態で引き起こすわけですから、前に体重をかけた時よりより多くの力を使って起こす必要がありますよね。
「骨盤前傾」「背骨は真っ直ぐ」「斜め後に腰を落とす」これらをすると自然と膝はつま先から前には出なくなるんですよね。だから膝は出さない、となるわけですね。膝を出さないようにするとこれら三つを行うことになるのでどちらでもいい、と言えばいいんですが😁
言っていることがよくわからない😅方は、よく言われる椅子に腰掛けるように、実際に椅子を後ろに置いて座らないギリギリまで腰を斜め後ろに落としてみてください。プリッとお尻を出す感じになると思います。このプリッとお尻を出した体勢が最大限股関節を曲げている体勢なわけです。
理屈派の方は上記の説明から実践に繋げてみてください(私は「動き」に関しては断然理屈派です)理屈で抑えると、他の動作や姿勢にも応用できるので、スポーツをされている方や、目指す身体がある方は理屈で押さえていくことをお勧めします。
椅子でわかりにくかった方は、壁を向いてやると良いです。
壁があるので無意識的に臀部を斜め後ろに下げることになります。上半身は前傾にしたいのでイメージを掴むために使って、実施は壁なしでやってくださいね😊
はじめのポジションのまま、「斜め後ろに腰を落とす」。「斜め後に腰を落とす」=つま先から膝を前に出さない
まとめ
如何だったでしょうか?
こんなに細かく考えなくても・・・と思いかとは思います😆実際、お店にいらして頂いている方にはポイントだけお伝えしています。と言うのも、実際に会ってお伝えできれば、触れながらどう動かすか伝えられますし、うまくできていなかったら都度提示方法を変えたり道具を入れてみたりその方に合わせた方法を見つけることができます。
ですが、実際にお会いしていない状態で伝えるとなると、ポイントだけでは必ずどなたかは「違ったニュアンス」で受け止めるはずなのです💦それはもう致し方ないことで、動画でも文字でも、簡潔であればあるほど、どうしても起こってきます。“言葉”の意味は知っていても解釈などは人によって違いますから、私の意図を100%相手の状況を見ずに伝えると言うことは難しいことなのです。
しっかり伝えるためでもありますが、先ほども書いたように、「理屈で抑えると他の動きや姿勢にも活用できる」のです。
大臀筋はハムストリングを鍛えるトレーニングは他にもありますよね。それらや、他の筋肉でも働かせることきのポイントは同じなのです。「支える」筋肉と「動かす」筋肉の役割分担をしっかりして働かせる。そして、動きの意味をしっかり理解することで、的確に筋肉を働かせられる。
ただ動作をやればいいわけではない。
もうこれは何度でも書きます!
しっかり働かせられれば、トレーニング直後にも変化は見られます。それを繰り返せば筋力が定着するのですから変化し続けるしかなくなるわけです。
そうなるとトレーニングも「やらなければ」から「変化が楽しみ」になりますよね😊
私も、施術やお客さまへのアドバイスだけでなく、私自身の身体をあれやこれやと変化させながらやり方を考えています。
やるからこそわかることばかりです。
何歳からでも、筋肉を変化させて理想の身体に近づけ変えることはできます。
理想の身体目指して、身体を創っていってください!