修復

施術note:大胸筋の緊張の抜けにくさと胸筋筋膜

こんにちは😊

今回の内容は、9/2の投稿で書いた施術ノートの続きになります🙋‍♀️

その方の症状は、「頭部を後に倒し、首前側を伸ばした時に感じる胸部の痛み」だったのですが、その要因について書いていきます。

この要因、痛みはでないにしろこれから書く部分が硬い方、特に男性は多く見られる様に思います。(いらっしゃっている女性のお客さまにあまり見られないだけかもなので悪しからず)

胸が痛む、と聞くと胸の筋肉である大胸筋かな、と思われるかもしれません。実際、前回投稿で書いたように大胸筋は緊張が抜けない状態でした。しかし、大胸筋だけが要因だったわけではありません大胸筋の下にある小胸筋、前鋸筋でも主要因ではありませんでした

要因は、胸郭そのものの動きの低下、でした。

1.要因は胸郭の動きの低下

胸郭というと、12個の胸椎+12対の肋骨+胸骨、このユニットを総称して胸郭、と言います。

勿論、大胸筋などの筋肉が直接的要因になる場合もあります。その場合は、腕を前後に動かすなど大胸筋が関わる他の動きでも痛みが生じる場合も往々にありますが今回は首の動き限定で気になっておられました。

とは言え、胸郭だけの動きが阻害される、ということは骨格構造上ありません。単独で存在しているわけではないので。

発生要因と思われる動作が、長時間の運転でしたので痛みに至った経緯を推測すると、

大胸筋・小胸筋・前鋸筋の柔軟性が低下したことにより胸筋筋膜や前鋸筋筋膜などの筋膜の滑走性が低下し胸郭の動きが阻害されて首を動かすたびに引っ張られて痛みが生じていたと考えられます。

 

2.胸郭の筋膜

胸郭の筋膜は結構強敵なんですよ。こちらの画像を見てください。

【引用:ネッター解剖学アトラスp.411】

この画像は、大胸筋を切断してその下を描いたものです。肋⇨小胸筋⇨筋膜や靭帯⇨大胸筋という順番が見える様になっています。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、小胸筋に被さるように線維性の膜が肋の上に張られておりその上を大胸筋が走行します。

こういった筋膜は、筋肉の動きを助ける役割があり、動きの方向性を誘導する役割もあればこのように隣接する筋肉同士の動きをスムーズにさせる滑走性の向上の役割もあります。

では、なぜ硬くなるのか🤔

筋肉の柔軟性が低下すると、これら筋膜や靭帯は線維が密集化(目の荒い線維性の布が目の細かい状態になる感じ)するので硬くなり滑走性が悪くなります。そうなると、動かしてストレッチングをかけても筋肉は動くけれど筋膜の密集化はなかなか取れず、筋膜の滑走性が改善されないのでケアしても痛みが取れない事態になってしまうのです。

そもそもなぜ柔軟性は低下するのか?

 

現代の生活様式ですと、意図的に筋肉を動かしていない限り、筋肉は硬くなってしまう!ということです!!

そもそも胸郭は、姿勢が整っていれば呼吸の度に勝手に動き、ましてや重力により下に下がるようになっています

なのですが・・・😅

こんな姿勢をとり続けるとあっという間に固くなってしまいます。

 

背中を丸めて胸を潰した姿勢で胸郭が潰れるイメージできると思いますが、結構気づかれていないことが多いのが、姿勢を正そうと思って胸を反らせて胸部の動きをご自身で止めている場合です。今回の方は、長時間の運転にありがちな潰して崩す体勢を取られていましたが、胸郭の筋膜調整をする方で多いケースは後者の胸を反らせて「力が抜けない」と感じていらっしゃる場合です。

胸を反らせて固めておられるケースについてはまた次の機会に書きたいと思います🙋‍♀️

 

3.筋膜が緩むと筋肉も動きはじめる

ある程度先ほどの筋膜が全て緩めば、大胸筋も小胸筋も前鋸筋も動きはじめてくれます。初回では筋と筋膜状態と時間の関係で筋肉まで完全に緩ませることは難しかったですが、それでもセルフケアで対応できるくらいには整った状態になりました✨

前鋸筋の硬さの残りによって小胸筋が引っ張られてまだ少し首に痛みを感じておられましたが、前鋸筋と小胸筋にストレッチングをかけた体勢で首を動かしてもらうと痛みは感じ無くなりました。

痛みがなくなれば終了のご希望でしたので、セルフケアを継続的に行って頂くことになり終了となりました。

当院では、ご来院時に「修復のみ希望」か、「修復の後に身体創りまで希望」をお伺いしています。痛みをとるだけなら修復のみ。痛みの起きにくい身体をご希望の場合は修復の後に身体創りが必須となります✨意向をお聞きすることで、こちらもお望みの内容をご提供できるのでその様にしております。

再度姿勢を崩してしまうと再び痛みが起こる可能性は捨てきれませんが、今回の方は運転だけでなく、もう一つ要因があったのです。

それが、今まで続けておられた習慣をここ3年ほどしていなかったこと、です。

お話によると、コロナの前まで水泳とテニスを週1回行っていたそうです。この水泳が恐らく功を奏してこれまでここまで感じる痛みにならず軽度の肩凝りや首の違和感程度で収まっていたようなのです。

前鋸筋と小胸筋は、肩甲骨の動きが不十分になると硬くなる筋肉です。

これまでは肩甲骨を動かす機会があったため今回のような筋膜が密集化してしまうこともなく、硬さが蓄積されにくい身体になっていた、のだと思われました。

筋肉や筋膜を硬くさせるのは、「何かしたから」だけでなく「辞めたからこれも要因背景になることは結構あります。

日頃から、硬さが蓄積されにくい適度に柔軟性を維持できていれば、一日普段と異なった使い方をしても疲労感は感じても翌日、翌々日には筋緊張は解かれ、硬さが蓄積されることはありません😊

ですが、日頃から硬さが蓄積されている身体にしていると、もう少しで溢れそうなコップに入った水状態ですので、不意な動きや普段と異なった使い方をすることで、「そんなに使ってないはずなのに・・」「大した動きじゃなかったのに・・」硬さが取れず何日、何週間、何ヶ月経っても緊張が解けない身体になってしまいます。

どんな動きや状態にも動じない身体は、日々の使い方の蓄積によって培われます!イメージとしては、柔軟性を如何に貯蓄できるか、ですかね✨

 

4.一発逆転は狙わない。日々の習慣が一番大切。

コロナによりリモートでの仕事が多くなった方は当てはまる方が多いのではないでしょうか。何気なく行っていた毎日の通勤での「歩行」、仕事時の移動での「歩行」などなど。何気ない毎日でも、実は身体にとってはよいこと、はたくさんあるんですよね😊

私も毎朝ほんの15-20分程度ですが走らずにいると身体がおかしくなってきます。自分にとっての身体維持方法が見つけられると「大きく身体の状態を崩すこと」かなりの確率で避けられます

身体の調子は毎日違います。良い日もあれば悪い日もあります。それは誰でもそうです。

その波を大きくするのか、なだらかにするのか、は自分次第です✨

どん。と調子が落ちることを避けるには画期的な方法や特別な方法を見つけることではなく、日々のコツコツとした習慣しかないのです♪

一発逆転は狙わず、積み重ねて積み重ねてご自分の「快適」な身体をキープしてみてくださいね😊

ケアを頑張ってはいるが痛みが続いている方は一度ご相談ください。その見つけきれていない要因を一緒に探っていきましょう✨

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